チキンミールとは、どんな肉のこと?


ドッグフードとは、読んで字のごとく犬が食べるために作られた食品のはず。
しかし、日本においては平成21年6月に『ペットフード安全法』が施行されるまで、まさになんでもアリの無法地帯でした。

とはいえ、人間が口にする食品の安全を確保している『食品衛生法』には程遠い内容。
しかし、ないよりはあったほうがいいことだけは間違いありません。

そんな、よちよち歩きを始めたばかりのドッグフードの安全確保。
やはり大切な愛犬の健康を守るためには、私たち人間が、飼い主が、ドッグフードの安全性についてもっと真剣に考えるべきではないでしょうか。

■ドッグフードの原材料欄は情報の山!


ドッグフードの原材料欄は、ついついさらりと読み流してしまいがち。
しかし、実は大事な情報がテンコ盛りに記載されています。

安全で安心なドッグフードを本気で選ぼうと思ったら、危険な酸化防止剤が使われているか、いないかを確認するだけでは足りません。
どんな肉類が原材料として使用されているのか――。

極端なことを言ってしまえば、ここを確認するだけでもそのドッグフードの品質はかなり見えてくるのです。

■チキンミールって、つまりはどんな肉?


チキンなら鶏肉、ビーフなら牛肉、フィッシュなら魚の肉が使われていることは一目瞭然。
では、チキンミールと記載されていたら、どんな肉を想像するでしょうか?

とりあえず、鶏であることはすぐにわかりますよね。
しかし、続くミールが何であるのかが、いまひとつピンとこないのではないでしょうか。

ミール(meal)といえばまずは「食事」という意味が思い浮かびますが、「粉砕してできた粉」という意味でも使われます。
実はミールがついた肉類は原材料がなんであれ、乾燥させた後に粉砕して作られたもののことを指しているんですね。

つまり、チキンミールとは鶏を乾燥させて粉にしたもののことです。

■ミールの品質はピンからキリまで


なんだ、チキンミールって乾燥チキンの粉なんだ!と安心してしまうのは早いかもしれません。
ここで注意しなければいけないのは、どの部分が使われたチキンミールなのか、ということです。

鶏肉というと私たちはなんとなくモモ肉やムネ肉といった食肉部分のみを想像しがちですが、チキンミールに使われる鶏の部位は食肉部分のみとは限りません。
一口にチキンミールといってもその品質にはピンからキリまであり、中には肉副産物まで使われた粗悪なチキンミールがあるのです。

肉副産物とは食肉以外の部分のこと。
内臓、骨、血液、とさか、皮、くちばし、爪、羽などのことですね。

爪や羽は論外としても、ドッグフードに混ぜるのだから、内臓はいいのでは?と思うかもしれません。
しかし、そこには胃や腸が含まれていて、その中身――糞などの老廃物までが含まれている可能性があるのです。

さらに粗悪なチキンミールには大きな問題点が。
それは、栄養にならない部分が大量に含まれていることで、栄養の面からみても貧弱な肉類かもしれないことです。

■粗悪なチキンミールを使っているフードの共通点


チキンミールが原材料に使われているからといって、必ずしも肉副産物が含まれているとは限りません。
食肉部分のみを使用して作られたチキンミールを、原材料としているドッグフードもあります。

しかし、ドッグフード売場をのぞいてみると、まず間違いなくまともなチキンミールではないだろうな、と想像できてしまうドッグフードがずらりと並んでいるのもまた事実。
こういった、粗悪な肉類を使っていると推測できるドッグフードには、それなりに共通点があります。

・販売価格がやたらと安く、原材料の先頭に穀物が記載されている。
・原材料の中に「ミートミール」という記載がある。(ミートミールとは、動物の肉の食用にはできない部分を粉にしたもの)
・BHA、BHT、エトキシキンなどの危険性が指摘されている酸化防止剤が使われている。
・着色料が使われている。

上記に一つでもあてはまる場合、原材料に使われているチキンミールの品質は疑ったほうがよさそうです。

■ドッグフードの安全性は飼い主の目で確かめて!


肉食よりの雑食という食性を持つ犬にとって、肉類――動物性たんぱく質は最も重要な栄養素です。
だからこそ、肉類に何が使われているのかは最重要項目。

それなのにチキンミールという肉類は、中身の品質が非情にわかりづらいところが実に厄介なんですよね。
とはいえ、そもそも使っている食材が高品質なら「このフードに使われている肉類はこういうものです」と明確にするのではないでしょうか。

それがないということは……、と品質を疑う目を持つことは、安全なドッグフードを選ぶうえで絶対に必要なことなんです。

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