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豆乳は栄養豊富!でもミルクの代わりにはなりません




豆乳には「健康に良い」というイメージがありますよね。
だからこそ、愛犬にも飲ませてあげたい!と考える飼い主さんは少なくありません。
見た目は牛乳やヤギミルクとそっくりの豆乳。
果たして、ミルクの代わりに犬の食事に加えても問題はないのでしょうか?

■豆乳は高タンパク低カロリー


豆乳の原材料は言わずと知れた大豆です。
大豆といえば畑の肉と呼ばれるほど、たんぱく質が豊富な食材。
豆乳はそんな大豆を搾って作られていますから、当然のことながらたんぱく質がかなり多く含まれています。
なんと、普通の牛乳やペット用のヤギミルクより多いんですよね。

・無調整豆乳100ml/たんぱく質3.7g
・牛乳100ml/たんぱく質3.4g
・ヤギミルク100ml/たんぱく質3.1g

そのうえ、豆乳は牛乳やヤギミルクより低カロリー。
そんなにいいことづくめなら、ペット用のミルクやヤギミルクはやめにして、豆乳に変えようかな……と思うのは残念ながら早計です。
豆乳はたしかにとても栄養豊富でなおかつ低カロリー。
大豆にアレルギーさえなければ犬にも与えてOKではありますが、ミルクの代わりにするような使い方はおすすめできません。

■豆乳とミルクとは見た目がそっくりでもまったくの別物


豆乳には「乳」の字が使われていますが、それは見た目がミルクによく似ているからなだけで、あくまでも植物である大豆を搾った汁です。
つまり、栄養のバランスがミルクとはまったく異なっているんですね。
たとえばカルシウムの含有量。

・無調整豆乳100ml/カルシウム15mg
・牛乳100ml/カルシウム110mg
・ヤギミルク100ml/カルシウム120mg

もちろん、栄養価の面からみた差異はこれだけではありません。
ビタミンAを比べると牛乳100mlには38μg、ヤギミルク100mlには36μgであるのに対し、無調整豆乳はゼロ、つまり含まれていないんです。
だったら、たんぱく質を摂取させる目的で豆乳を飲ませればいいのでは……と考えたくなるところですが、豆乳に含まれているたんぱく質は植物性。
犬にとっての必須アミノ酸を考えた場合、植物性たんぱく質ではそのすべてを補えないのです。
たんぱく質を摂取させることを目的に選ぶのであれば、やはりその種類は動物性を選ぶべきではないでしょうか。

■犬の食事には豆乳の良さを活かした使い方を


とは言え、豆乳の栄養成分が犬の食生活に役立たないわけではありません。
豆乳は間違いなく栄養豊富な飲料です。
そもそも、豆乳をミルクと比較すること自体が本来おかしなことではないでしょうか。
注目すべき栄養は、ミルク類とは別のところにあるのです。

たとえば骨の維持に必要不可欠なビタミンK。
造血や細胞分裂に欠かせない葉酸。
新陳代謝や抗炎症に重要な役割を果たすビオチン。

こういった成分は動物性のミルクより豆乳にこそ豊富に含まれています。
要するに、見た目がミルクに似ているからミルクの代替品として扱ったのでは、豆乳本来の良さを活かすことができないんですね。
そればかりか、ミルク感覚で与えてしまうと量が過剰になりやすく、体調不良をまねく原因にもなりやすいのです。
見た目は牛乳やヤギミルクにそっくりでも、犬にとっての豆乳はあくまでも大豆の搾り汁であることが前提。
犬用に成分が調整された牛乳なら5kg前後の小型犬の場合、1日の給与目安は50~100ml程度ですが、豆乳をこれと同じ感覚で与えてしまうと間違いなく過剰です。
豆乳なら大さじ1杯(15ml)程度で充分。
もしもドッグフードをふやかすには量が少なすぎるのであれば、水で薄めて使えばいいのではないでしょうか。

■過剰摂取にはいいことナシ!


どんなに栄養豊富で健康に良いものも、過剰に与えれば害になるのはなにも豆乳に限ったことではありません。
過ぎたるは及ばざるがごとし――。
昔の人は実に本質を捉えた言葉で表わしていますよね!
  



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