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犬にニンニクを食べさせるなら、薬として扱うのが一番




犬も人間も雑食動物。
しかし犬は人間に比べると、食べてはいけない食材がいくつもあります。
この「犬に食べさせてはいけない食材」の中には、成分についての正しい知識がないままに、ただ闇雲に食べてはいけないと避けられているものも。
たとえばニンニク――。
日本では犬の食事において敬遠されがちですが、欧米では犬にニンニクを与えることは珍しいことではありません。
それどころか、犬用のサプリメントにはガーリックを主原料にしたものまであるのです。

■ニンニクとタマネギは似て非なるもの


そもそもニンニクは、なぜ犬に食べさせてはいけない食材に分類されているのでしょうか?
それは、アリルプロピルジスルファイド(有機硫黄化合物)を含んでいるからで、タマネギを犬に食べさせてはいけない理由も同じです。
この成分が血液中の赤血球を酸化させてしまうことにより、溶解性貧血を起こして体のすみずみにまで酸素が運べなくなるのです。
さらには赤血球内のカリウムが血液中に流出し、高カリウム状態が続くことで不整脈や心停止という最悪の事態を引き起こす可能性も。
じゃあやっぱりタマネギもニンニクも犬に食べさせたらダメだ!と結論付けたくなるところですが、ちょっと待って!
実は含まれているアリルプロピルジスルファイドの量には違いがあります。
タマネギには多く、ニンニクは微量。
つまり、同じようにアリルプロピルジスルファイドを含んでいるからといって、ニンニクとタマネギを同じように扱う必要はないんです。
そもそも、本来ニンニクは普通の野菜とは扱い方が違い、基本的にはほんの少しの量を薬味として加えるものではないでしょうか。
実はこの薬味的な使い方こそが、犬の食事においてニンニクを活かすカギなのです。

■ニンニクの効果


犬の食事にニンニクを加える際、気をつけるべきはアリルプロピルジスルファイドより、アリシンという胃粘膜を刺激する成分。
摂取の仕方によっては胃を刺激してしまい、嘔吐などの原因になることがあります。
しかし、見逃せないのはその強力な殺菌効果。
天然の抗生物質との異名を持つアリシンには、感染症を引き起こす寄生虫や原虫類、さらにはウィルスや細菌、真菌などを防ぐ効果が期待できるんです。
また、ニンニク特有のニオイ成分であるアリシンが代謝されることにより、皮膚から放出される微量のニオイがダニやノミを除ける効果も。
欧米などではこの効果を期待して、愛犬にニンニクを与える飼い主さんが少なくありません。
その他にも、ニンニクに含まれる硫黄化合物には体の免疫力そのものを上げる効果がありますし、ジアリルトリスルフィドという成分には肝臓の解毒作用を活発化させる効果が期待されています。
こんなに様々な薬効が期待できるニンニクを、「犬に食べさせてはいけない食材」と一くくりにして捨て置いてしまうなんて、なんだかもったいないと思いませんか?

■犬にニンニクを与えるなら生のまま微量が鉄則


ニンニクに健康増進効果が期待できるからといって、与え過ぎは絶対に禁物。
どんなに優れた薬も使い方を誤れば毒となるように、それはニンニクも同じことです。
犬にニンニクを与える場合、その適量を体重1キロについて何グラムと判断するのは、実はとても困難。
というのも、ニンニクが体質に合うか合わないかは個体差が大きく、同じ量を食べた小型犬はなんでもなかったのに、大型犬が体調を崩すこともあるからです。
体重10kgあたりに対してニンニク1カケが適量、としている記述もありますが、1カケの量にはかなりの差があり、適量とするにはあまりにもぼんやりとしすぎています。
また、ニンニクの薬効を最大限活かすためにもできるだけ生で与えたいところ。
しかし、生のニンニクは胃粘膜を刺激しやすく、なおのこと与えすぎにいいことはありません。
そこから考えると、犬にニンニクを与えるならすりおろしたものを耳かき一杯程度から始めるのが一番安全ではないでしょうか。
その後は体調を確認しながら増減して適量を見つけていくわけですが、どんなに体質に合っていたとしても、モリモリと食べさせるようなものではないのです。

■ニンニクは薬


ニンニクは、犬に与えてはいけない食材に分類するにはあまりにも惜しい食材。
とはいえ、普通の食材と同等に扱う類のものではありません。
適量による薬効の裏には、摂取しすぎた場合の害が潜んでいるのです。
ニンニクは食材というより、健康増進のための薬と考えたほうがいいのかもしれませんね。



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