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犬に野菜を食べさせるとき、下処理が必要な理由とは?




犬の大好物といえば、言わずと知れた肉類や乳製品などの動物性たんぱく質。
ところが意外なほどに野菜や果物、穀類といった植物性の食べ物も喜んで食べてしまうんですよね。
私たち人間にとって、植物性の食べ物は健康な食生活に欠かせません。
野菜たっぷりサラダなんて、まさしく健康に良いイメージそのものではないでしょうか。
しかし、その感覚をそのまま犬の食事に取り入れることはおすすめできません。
なぜなら、犬は私たち人間と同じ雑食動物ではあるものの、体の中身は祖先であるオオカミだった頃と大差のない、肉食動物寄りの作りをしているからです。


■犬の歯と腸が示す本来の食性とは?


シベリアンハスキーやジャーマンシェパードなら、オオカミがご先祖といわれてもうなずけますが、愛らしい小型犬だとなかなかピンとこないのではないでしょうか。
しかし、どんなに見た目がヌイグルミのように可愛くても、犬の歯の形と腸の長さはまさしく肉食獣寄りです。
試しに愛犬の口の中をのぞいてみてください。
奥歯はすべて山脈のような形をしていませんか?
これぞまさしく肉食の奥歯であり、植物を主として食べる前提にはなっていないことを表わしています。
これは超小型犬にしても例外ではありません。
植物のみを食べる草食動物、それから私たち人間のように野菜をたくさん食べる雑食動物の奥歯は食べ物をすりつぶすために平らな形をしていますよね。
しかし、犬にはそういった食べ物をすりつぶすための歯が生えていません。
また、犬の腸の長さも肉食獣寄りであることを示しています。
消化管の長さはその動物の食性によって異なるもので、完全な肉食動物であるライオンは体長の4倍程度であるのに対し、完全な草食動物である牛や羊は20~25倍もあります。
そして犬の腸は体長の5~6倍。
この数値からもわかるように、犬は間違いなく食性は肉食寄りなんです。

■野菜や果物の栄養は鉄壁の細胞壁に守られている


野菜にしろ果物にしろ、植物の細胞にはセルロースという強固な細胞壁が存在しています。
このセルロースを壊して中身を取り出さない限り、どれだけ食べようと植物に含まれているビタミンやミネラルなどの栄養を摂取することはできません。
だからこそ草食動物は平らな奥歯で植物をすりつぶしてセルロースを壊し、なおかつ長い消化管の中に共生している微生物の力を借りて栄養を吸収しているわけです。
つまり、必ず事前にセルロースを壊す処理をしておかなければ、犬が野菜や果物の栄養素をきちんと吸収することは不可能なんですね。
栄養が吸収されないまま排泄されることになりますし、本来は消化が苦手な食物が胃腸を通過していくわけですから、余計な負担をかけることにもなるんです。
だったら植物性の食材などは与えずに、消化を得意としている肉類などの動物性たんぱく質のみを与えればいいかといえば、もちろんそんなわけはありません。
栄養が偏ってしまい、体調不良を起こすのは目に見えています。
栄養はバランスよく摂取してこそ相互に力を発揮するもの。
犬が最も摂取しなければいけない栄養は動物性たんぱく質ですが、炭水化物やビタミン、ミネラル、食物繊維もまた必要不可欠なのです。


■未処理の野菜では栄養を吸収できない


鉄壁の細胞壁――植物のセルロースを壊すには、必ず一手間が必要になります。
そのための方法としては

・煮る、蒸すなどの加熱処理
・細かく刻む
・すりおろす、またはすりつぶす

一番のおすすめは煮る、または蒸すなどして柔らかくした野菜を、さらにすりつぶすことです。
細かく刻むことでもセルロースをかなり破壊することはできますが、やはりすりおろしたり、すりつぶすのに比べると壊れないままの細胞壁が残ることになるでしょう。
みじん切りにしてもそのまま排泄されてしまうぐらいですから、犬に野菜スティックや野菜サラダを食べさせることは、胃腸に負担をかけるだけの行為なんですよね。

■野菜や果物に加える一手間が愛犬の体を守る


栄養バランスのことを考えたら、野菜や果物、穀物などの栄養を度外視するわけにはいきません。
バランスのとれた栄養と、健康な体は切ってもきれない関係にあるんです。
そう考えると、野菜や果物に消化がしやすくなる下処理を加えることは、まさしく愛犬の健康に直結しているんですよね。
  




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