リフォーム物語3



過ぎてしまった事はしょうがないと思いつつも どんよりとした日々を送っていた

12月4日   

「また一から出直しだね・・・」 はがれた塗装を剥がし、また塗り始めた。ラッキーな事にこの日は 盛岡にしては暖かくペンキの乾きも速かった。前回の失敗の原因は恐らく次の日に降った雨だろう。とにかく事務所の前は交通量が多く、雨しぶきが容赦なくシャッタ-にかかるのだ。



ほとんど残らないくらいハゲてしまった



塗り終わった頃には夕方だった。「雨降んないでね」と願うばかりだった



さて外は終わったので 今度は中をちょっとキレイにする事になった。入り口の周りや柱・枠などをペイントする事になった。私の中では アクセントとなるカラーは既に決まっていた。オレンジである。なぜオレンジかと言うとDRコパが「今年はどんな物でもオレンジを選んでおけば大丈夫!運気が良くなりますよ!」とテレビで言っていたから。ただそれだけ。普段は絶対選ばない色だが やはり運気が悪くなっては困るからちょっと その言葉に乗ってみた。今思えば 今年ってもうすぐ終わりなんですよね・・・



前にアイボリーに塗った部分にマスキングテープを貼る。これが結構面倒くさい・・間違ってアイボリーがはげた部分があったのはご愛嬌ということで



とりあえず塗ってみた・・・



「とりあえず○○してみた」これが災いした。とりあえず何でもやってみるチャレンジ精神は自分でも長所だと思うが 失敗する事も多い。やはり茶色の強さに負けてどう見てもオレンジには見えない。ちなみにオレンジ色の塗料は売っていなかったので赤と黄色を混ぜたものを使用した。「ちょっとイメージした色と違うかな?」と思いつつも「とりあえず塗ってみて」見事に失敗・・・「これは4回くらい重ねないとダメだね」ピロシの言葉が胸に突き刺さる・・・




前回 切り取った机にも塗ってみた。これも失敗・・・・



ブロックにも塗ってみた 全然映えない・・・・


ちなみに エアコンの室外機にもオレンジを塗ってみた。室外機の色は白だったので キレイなオレンジ色になった。画像は撮り忘れたのであとで公開するとしよう。私の中では室外機は大成功!だったが それを見た妻は、「あんた何やってんの?リサイクル屋さんに出せないじゃない!」と怒っていた・・・ロマンを理解してくれない現実屋さんである。


キレイなオレンジ色になるだろうか?チープなお店になってしまわないだろうか?
私は夢に出てくるほど オレンジのことが気になっていた・・・



そんなある日 事務所の前で これまた高校時代の友人ハコとばったり会う。実はばったりでもない。彼のアパートはここから目と鼻の先だからだ。「ちょっと寄っていくか?」の誘いに尻尾を振ってついてきた。発展途上の私の事務所を見て 何やら目が輝いている。何を隠そう 彼は実はリフォームマニア・日曜大工さんなのである。半年前に電動ドライバーを購入して以来、「ねじ廻し」にはまっているのである。「うー、やりてえ」と言う顔つきだったので 「手伝う?」と聞いてみた。そしたら「日給いくらで?」と帰ってきた。しっかり屋さんである。でもそんなお金は無いので「モチロン¥ただで!」一瞬 表情が曇ったが 「ねじ廻し」の衝動には勝てなかったらしく、「しょうがねーなあ・・」と契約成立!6日にハコとリフォーム第2弾になった。


契約成立後も彼はなかなか帰ろうとしない・・・問合せの返信やホームページの更新・フォローのメールなどどっさり溜まっているのに・・・「早く帰って欲しいな」と思ったが 次回タダでやってもらう事になったので何も言えなかった。
彼の表情を見ていると やたらキラキラ輝いている。そうリフォームはマジックなのである。リフォームしていなくても 想像しただけでワクワクする!それがリフォームなのである。私もやってみるまで知らなかった。こんなにリフォームが楽しいなんて!


12月6日

早朝に空港にこいぬを預けてから 事務所に行ったのは10時頃、ハコが現れる気配は無い。しょうがないので一人で チョコチョコ片付けなど準備をしていた。

そうこうして12時を回った頃 私の携帯電話が鳴った。私の場合「この着メロは あいつからだ!」と言うのは無い。みんな同じ着メロだからだ。(ちなみに椎名林檎の「闇に降る雨」である)ハコからの電話だと思い込んでいた・・・

しかし私の携帯に電話してきたのは・・・

ピロシだった。
「ハコ 来てる?」「来てないよ。」「手伝おっか?」「うん」
「じゃあ午後に行くね」「ありがと。待ってる」
私たちの会話は 必要最小限で何の飾りも無い 質素な会話だった。ものの20秒くらいで会話終了した。でも 私にはわかりましたよ。ピロシも既にリフォームジャンキーになりつつあるって。「何か目標を立てると 人が集まってくる」というのは本当だったんですね。

「よーし!3人ならはかどりそうだな」と思いつつ 肝心のハコに電話してみると何やら取材が入ったらしい(彼の職業はカメラマン)。午後2時頃到着との事。午後1時頃 ピロシが奥さんの運転で送ってもらって到着した。早速 前回の続き、オレンジの上塗りから作業を開始した。


    

「おおーっ!イイ感じ!」やはり重ねる度にキレイなオレンジになっていく。これは人生の真理だろうか?などと哲学している場合ではなかったりする。



午後1時40分頃 ハコが到着した。
「早いね。取材終わったの?」と尋ねたところ「取材日 間違えてた」と。「アホか!」と言いそうになったが ご存知 無報酬なので・・・

「さあ今日塗るのは木枠と外の木枠と・・・」説明にかかった。


  

壁取り付けタイプの扇風機     きったないテーブル


つまり アクセントとなるインテリア関係ですね。
どちらもかなり汚いが テーブルは想像以上に汚かった。
その理由は 置いてあった場所が吹きっさらしの台所だったから。
私は今でもここの台所が怖い・・・それは何故か?
私の天敵 カマドウマが出るからである。そうあの車海老みたいな虫だ。
しかもここのカマドウマは生活水準が低いためか動きが遅い。
だから なかなか逃げてくれない・・私の周辺視野から外れてくれない・・
そんなカマドウマがいる台所だから他の虫も何ともすごい。
テーブルの裏はクモの巣だらけだった。普通のクモの巣ではない。
地グモの類だ。でもそんな細かい描写をしてもしょうがないので・・・


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