ブリーダーと子犬 需要と供給


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多くの飼い主さんは、こう思っていると私は想像します。

ブリーダーが子犬を産ませる → その犬種を飼いたい人が飼う。 と。


違います!
いや間違いではありません。言い過ぎました。。

しかし、実際はブリーダー主導でこの業界が回っているわけではないのです。

説明しましょう。
ブリーダーが一番気に病むのは 子犬の行く先が決まるかどうか?です。
子犬の歯が生えてきて 母親犬も母乳を与えるのを嫌がる頃(生後2ヶ月前後)、
子犬は一番の飼われ時・買われ時を迎えます。

その後は徐々に体重も増え、子犬らしさも少しずつ失い、
毎日の食事量も増え、どんどん売れにくくなっていきます。
(子犬を商品のように語って心苦しいんですが、事実です)

「もうコレ以上 置いててもしょうがないからオークションでも持っていくか。。。」
しかし案の定、オークションでも大した値がつかず 結局ドッグフード代にもならない。。。

こんなことはブリーダー業界ではよくあることなのです。

売れ残ってしまうと 赤字になってしまう。
だからブリーダーは子犬が生まれてからの2ヶ月は気が休まることはありません。
あるとしたら 子犬すべての行く先が決まった瞬間。

その後は また違う母犬の出産に追われ、また子犬の行く先で気をもむ。。。


そうすると
ブリーダーが子犬を産ませる → その犬種を飼いたい人が飼う
という図式はバランスを崩し始めます。

ブリーダーとしては
早く子犬の行く先を決めたい → 現在人気が高めの犬種の子犬を産ませようとする

そうしないことには子犬が余ってしまって 廃業に追い込まれてしまう。。。
すでに犬舎にいるワンコに食わせるためにも人気の犬種を生後間もなく、
しかも高値で売ってしまいたい!コレが本音だったりするのです。


つまり、
人気の犬種は飼い主が決める → ブリーダーはその流れを読んで子犬を産ませる

という図式に近づくわけです。


数年前、トイプードルが大流行し、その後さらなる小型化をもとめ、
ティカッププードルなるものが出てきました。

大衆のニーズに応えるべく 小型のトイプードルを生ませようと、
小型のトイプードルを掛け合わせたあまり、骨格や内臓など華奢なトイプードルが増えてしまいました。


その結果、アトピーやアレルギーなど免疫面での脆弱さも併せ持って生まれてくるように
なってしまいました。

こういったことが数年前の爆発的なペットブームのウラで起こっていたのです。



ブリーダー・飼い主のどちらが悪いということではなく、
需要があるから供給する、供給があるから買い求める。

この図式は もっと命の大切さに沿ったものにならないものなのでしょうか?


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