犬が体に触らせてくれません・・・

犬 体


★まずは頂いた犬のしつけ相談メールから。

「病院に一歩入ったとたん怖さのためか体の震えが止まらず、心臓もバクバク状態です。
診察するにも歯を剥いて嫌がり、先生はさわれず血液検査も抱っこする感じで
押さえて後ろ足からやっと採血する始末です・・・」


病院で落ち着かない、怖がるワンコは非常に多いですね。
人間でも病院嫌いがいるわけですから、ワンコに病院嫌いがいてもおかしくはありませんよね。

でもこういった病院嫌いなワンコがもし、治ったとしたら!ワンコ以外にも助かる人がたくさん増えます!
病院の先生も噛み傷が減りますし、トリマーさんだって仕事がはかどります。
もしあなたのワンコが暴れるワンコだとしたら、
病院の先生もトリマーさんも、ワンコを押えつけなくてはならなくなってしまいます。
そうなったとしたら、ワンコはますます病院・トリミングが嫌いになってしまいます。

病院嫌い→暴れる→もっと病院が嫌いになる→もっと暴れる・・・
こんな悪循環にはまってしまうのが目に見えるようです。

さてワンコはどうして、何かを嫌いになったりおびえたりするのでしょうか?

ワンコは頭のいい動物です。
過去に起こった色んな事を関連付けて記憶しています。
有名なところでは、「パブロフの犬」ですね。
そう、ベルを鳴らしただけでよだれがダラー・・てやつです。

こうなるとこういうことが起こる、ってちゃんと記憶しているんです。
それが罰、特に体罰などに結びついていたとしたら・・・
やっぱりワンコは怖がってしまうと思います。

以前にこんな話を聞いたことがあります。
ラブラドールを飼っている飼い主さんのお話です。
そのラブラドールは成犬になってからそのお家に引き取られたワンコです。

飼い主さんがゴルフの素振りの為、クラブを持つと、
目をつぶって急いで頭を下げるそうです。そのラブは。
おそらくゴルフクラブのような、長いもので体罰を受けた経験があったのでしょう。
飼い主さんがクラブを持っても怖れなくなるまで、1年もかかったそうです。


話は戻って、この相談メールの飼い主さんは、
子犬のときに行った去勢手術がトラウマとなって残っているのでは?と感じているようです。
本当のところはワンコに聞いてみないと分かりませんが、
それも原因の一つであることは想像できますよね?

このように幼い頃の記憶(幼くない場合でも)が問題行動につながるのは良くあることなんです。
小さい子供が100人いたとしましょう。
仮に100人中のたった一人が、ワンコをおびえさせるようなことをしたとしたら・・・
もしかしたら小さい子供を見た瞬間にその記憶が戻ってきてワンコをおびえさせてしまうかもしれません。

たった1回の罰が、ワンコのその後を決定してしまう場合も有り得るのです。
「犬を誉めながらしつける」ことの意味はそこにあります。
何か悪いことに結び付けてしつけるより、良いことに結びつけるほうが
ワンコも飼い主さんも楽しくトレーニングが出来るわけですから。

さて、どうやってワンコの恐怖心を無くしていくのか?

難しいですね・・・
「病院・触診」がワンコにとって、「マイナスのイメージ」があるとしたなら
それを「プラスのイメージ」に変えていかなくてはなりませんね。

既に「マイナスのイメージ」が染み付いているワンコにとっては
通院へのプロローグがすべて怖れに繋がっています。
「ほら!○○ちゃん。キャリーバッグにお入りなさい!」

ワンコは、
「ああ・・あのキャリーバッグに入れられる時は病院に行くってことだな・・」
と認識しているかも知れません。
だからワンコも入りたくありません。
余計に飼い主さんもイライラしたりして・・・もうマイナスイメージ増幅しちゃいます・・・

病院に行くまでの間、診察を待っている間に何か「楽しいこと」
が起こるとしたら・・・なんでしょうね?

動物病院の先生・あるいは受付のお姉さんが協力してくれるかどうかは
分かりませんが、病院に来たらごほうび、触診したらご褒美、
そういったプラスのイメージを徐々につけていくことが出来たらいいと思います。

またお家でも、体を触られるトレーニングを積むことが必要になってきます。
ワンコは体の中でも、口・耳・マズル・お尻周り・首輪のあたりを
触られるのが嫌いです。
中には牙を剥いて嫌がる子だっています。

しかし嫌がるからといって、その部分を触らないようにしていると
その部分はどんどん敏感になり、ますます触れなくなります。

おやつを使って触りまくりましょう!

最初は短い時間でいいです。
まずおやつを一個あげましょうね!
次におやつをあげるときは、耳を触りながらホイ!っとあげましょうね。
その次は、耳の中をジーっと眺めてからおやつ。
すこしづつ触れる時間を延ばしながら、敏感な部分を鈍感に変えていくわけです。

これは耳に限らず、口など体全体に応用できます。
毎日繰り返すのがポイントです。
あなたの手に触られることに抵抗が無くなってきたら、
今度は家族の他の人にやってもらい、最終的にはお客さんにもやってもらうようにします。

お客さんにも抵抗をしない段階になったら、獣医さんも大丈夫です。
毎日頑張りましょうね!


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